会頭挨拶

この度、第31回 日本色素細胞学会学術大会を11月12日(土)〜13日(日)の日程で、東京にて開催させて頂くことになりました。

日本色素細胞学会(J S P C R)は、全米色素細胞学会(P A S P C R)、欧州色素細胞学会(E S PC R)、アジア色素細胞学会(A S P C R)と共に国際色素細胞学会連合(IFPCS)を支える主要学会の一つであり、コアメンバーとして日本における色素細胞研究の推進と情報発信を行なっています。

日本色素細胞学会の特徴は基礎と臨床の連携であり、色素異常症やメラノーマの臨床的アプローチにおいて、分子生物学的および薬理学的な側面などの基礎知識なくては発展が望めません。このような事から多種多様な研究者が一堂に介して、学術的な議論がなされる唯一の場であると言えます。

色素沈着症の治療には、1950年代よりFitzpatrick先生らが提唱したハイドロキノンが長らく最も有効な外用薬であるとの認識の元、現在に至るまで広く使われています。しかしながら紫外線曝露などにより色素脱失や真皮に変化が生じるなどの問題があることもわかってきたために、その使用にあたって漫然と使用しないなどの注意喚起がなされています。これを踏まえ、本邦からもまたヨーロッパからも新たな美白剤の開発がなされ、その安全性と有効性についての議論が進んでいます。今回の学術大会では、美白剤、色素異常症に対する光治療、メラニン・メラノーマなどをキーワードとした幅広いシンポジウムの企画を準備しています。

東京での本学会を楽しんでいただけますよう、心を込めて準備を進めております。皆様のご協力・ご参加をぜひともお願い申し上げます。

第31回日本色素細胞学会学術大会
会頭 船坂 陽子